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新しいシステムを覚える

申請の作成から承認完了まで。

このルーティンについて

そのExcelファイルを作ったのはあなたです。どのシートが最新の数字で、どのシートが何年も更新されていないか知っています。特定の行に何かを追加するだけで壊れる数式も把握していて、何度もこっそり直してきました。長年、「数字を知ること」はあなたに聞くことと同義でした。

そこに新しいシステムが導入されます。データは別の場所に移り、自分が設計していない入力画面から入力され、すぐには追えない形で更新されます。全員がアカウントを持つことになる。自分が「この人に聞けばわかる」と思われていた理由は、建前上はセルフサービスで完結するようになる。

簡単な切り替えではありません。新しいシステムが劣っているからではなく、何年もかけて積み上げた知識が一夜にして静かに分散してしまったように感じるからです。

そうはなっていません。業務の流れ、データの構造、問い合わせから請求書までの一連の流れ——そういった知識は消えません。このルーティンは、新しい環境でその知識を再び確かな足場に乗せるためのものです。一歩ずつ、新しい画面が以前の慣れたシートと同じくらい自然に感じられるようになるまで。

経費精算を最初からやりきる

  1. ダッシュボードを確認する 未処理、期限超過、今日対応が必要なもの。何かを触る前に、全体像を把握する。
  2. 新しい申請を開く システム上で該当の申請を探す。ステータス、担当者、最終更新日を確認。
  3. 申請種別を選ぶ 交通費、宿泊費、接待費など。種別を間違えると差し戻しになる。確認してから進む。
  4. 日付と金額を入力する 領収書の日付どおりに。概算や四捨五入はしない。
  5. 勘定科目を設定する わからなければ経理に確認する。あとで修正するより、最初に正しく入力するほうが早い。
  6. 領収書を添付する スキャンまたは写真。ファイル名はわかりやすくしておく。添付忘れは差し戻しの筆頭原因。
  7. 備考欄に目的を記入する 「出張のため」では足りない。どのプロジェクト、誰と、何のために、を簡潔に書く。
  8. 承認ルートを確認する 上長だけか、複数の承認者が必要か。自動設定されている場合も、正しいか確認する。
  9. 申請を送信する 送信前にもう一度全体を確認する。送信後に気づいた誤りは修正に手間がかかる。
  10. 承認状況を確認する 翌営業日以降に確認。差し戻しがあれば、コメントをよく読んでから修正する。
  11. 承認完了を確認する 通知が届いたか確認する。届いていない場合はシステムで直接確認する。
  12. 完了記録を保存する 承認済みの申請番号と日付をメモしておく。問い合わせが来たときに必要になる。

自分流にアレンジ

最初は時間がかかって当然です。目的はスピードではなく、どこに何があるかを把握することです。システムは画面に表示されている以上のことを自動で処理しています。ステップ12がそれを確認する機会です。

慣れてくると、いくつかのステップは確認しなくても自然にできるようになります。そうなったら、そのステップは削除するか、前後のステップの備考に統合してください。使えば使うほど、ルーティンは短くなるはずです。

申請の種類が複数ある場合(交通費、接待費、立替金など)、それぞれ別のルーティンを作ることを検討してください。基本的な流れは同じでも、勘定科目や添付書類の要件が変わります。条件付きの備考が混在するひとつのルーティンより、種類ごとに分けるほうが実用的です。

以前のExcelで持っていた知識はなくなっていません。システムの数字がおかしいと、誰より先に気づけるのはそのためです。